回復期リハビリテーション病棟
特徴・概要
回復期リハビリテーション病棟について
大きな病気や怪我をすると多くは「急性期病院」と呼ばれる病院で治療を受けることになります。しかし、この急性期病院というところは、「命を助ける」ことが大きな目的となっているので生命の危機を脱すると、一般的には退院を勧められます。これは、急性期病院は命の危機に瀕した患者さんを次々と受け入れ、命を救うことを使命としているためです。
しかし、多くの患者さんはこの時期はまだ心身へのダメージが大きく残り、元の生活にすぐ戻ることは困難ですし、退院を勧められたご家族のほうでも困ってしまう場合が多くみられました。このため、平成12(2000)年に「回復期リハビリテーション病棟」が誕生しました。
この病棟は、命の危機を脱してもまだ医学的・心理的サポートが必要な時期の患者さんを対象に受け入れ、自然回復を促す環境をつくり、多くの医療専門職がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。
当院における回復期リハビリテーション病棟
入棟される患者さんは脳血管疾患、運動器疾患が中心で一部脊髄損傷や外科術後の方がおられます。専任の医師、専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の他に、看護師、病棟スタッフも加わり、病棟生活そのものを重要なリハビリとして位置づけ、365日体制での専門職による治療・訓練とあわせて「できる」ことを「している」ようにするための病棟生活リハビリも積極的に行っています。
また、より良い退院に向けての家屋評価や環境調整、在宅スタッフとのカンファレンスも行っています。
社会福祉士の早期介入も当院の特徴のひとつで、制度利用や退院調整だけでなく心理面でのケアも含めた生活支援や退院支援も行われています。
当院におけるリハビリテーションの概念
リハビリテーションの語源は「再び(re)適したものにする(habilis)」という事で、「権利・名誉・資格を取り戻す」いう意味を持っています。言い換えると「人間らしく生きる権利の回復(全人間的復権)」による「質の高い生活や人生の実現」の過程すべてを指し、狭義の機能回復訓練だけを指すのではありません。
当院においては、個人が抱える心身の障害および種々の制約に対し全ての病期における、患者・家族を中心とした保健・医療・介護・福祉等あらゆる分野の人々、関係機関・組織の連携により在宅生活・社会活動を支援する包括的かつ継続的な活動過程のすべてをリハビリテーションの概念としています。
スタッフ・体制
2023年1月1日現在
- リハビリテーション科 専任医師3名(うち専門医3名)
非常勤医師4名 - 理学療法士54名
- 作業療法士20名
- 言語聴覚士8名
- クラーク3名
入院直後の急性期から回復期を中心に診断、評価、治療、訓練、装具対応、各種指導・調整などを他部署、多職種との連携のもと幅広く対応しています。
急性期では、早ければ入院・手術の当日(場合によっては手術前)から早期離床、廃用防止にむけたリハビリを開始します。回復期では、失われた機能を最大限回復するための専門的なリハビリを集中して行います。
また平成17年より京都府からの委託を受け、山城北圏域の「地域リハビリテーション支援センター」として、地域ネットワークの構築と生活支援におけるリハビリ資源の有効活用に取り組んでいます。
入棟対象となる疾患と条件
疾 患 | 病棟に入院できる期間 |
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150日 |
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180日 |
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90日 |
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90日 |
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60日 |
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90日 |
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90日 |
※資料出典:厚生労働省/回復期リハ病棟入院料を算定可能な疾患(2010年4月改定)
診療実績
- 退棟患者数 2024年7月~2024年9月(3か月間、単位:人)
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疾患区分 退棟
患者数脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、
脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、
腕神経叢損傷などの発症後、又は義肢装着訓練を要する状態85人 高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷
および頭部外傷を含む多部位外傷0人 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節又は二肢以上の多発骨折の
発症後又は手術後の状態52人 外科手術又は肺炎等の治療時の安静により生じた廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 8人 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経・筋・靱帯損傷後の状態 0人 股関節又は膝関節の置換術後(損傷後1か月以内)の状態 7人 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態 1人 - 実績指数 2024年4月~2024年9月(6か月間)
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実績指数とは、リハビリの効果を測る指標の一つです。退院した患者さんについて、入院時と比べてどのくらい回復したかを点数化し、それに要した入院期間を所定の計算式に当てはめて算出します。
厚生労働省は「40」以上を基準としており、この実績指数の数値が大きいほどリハビリの効果があったと言えます。
厚生労働省が示す基準 当院実績指数 40 47.43
医療関係者の方へ
当院の回復期リハビリテーション病棟への入院申込書(pdf形式)を、ダウンロードできるようにいたしました。下記リンクよりご利用ください。