感染症科
当科の特色・概要
感染症科は、2022年4月に新しく開設された診療科です。
現時点では- ■ 院内感染対策
- ■ 院内抗菌薬適正使用支援
- ■ 血液培養ラウンド
- ■ 院内コンサルト
- ■ 感染症地域支援
院内感染対策
週に1回、2職種以上が集まり、院内感染対策ラウンドを行っています。手洗いの遵守や個人防護具の適正使用を推進することにより、新型コロナウイルスや多剤耐性菌の水平伝播を未然に防いでいます。
抗菌薬適正使用活動
週に1回、4職種が集まり、抗菌薬適正使用のラウンドを行っています。推奨される抗菌薬やその投与量のほか、狭域化の可否、推奨する治療期間等の情報提供を行っています。
血液培養ラウンド
血液培養陽性例についてグラム染色像を確認するほか、電子カルテを用いて患者背景、感染臓器、重症度、使用中の抗菌薬の確認を行います。必要に応じて抗菌薬の変更や追加検査を主治医に提案し、直接診察が必要と判断した場合にはベッドサイドに伺うか、感染症科外来を通じて診療を行っています。
院内コンサルト
外来・入院を問わず、感染症に関する相談がある際には直接PHSに電話をかけていただくか、あるいは感染症科外来を通じてコンサルトをお受けしています。必要時にはカルテフォローあるいは併診のうえ感染症診療に関する支援を継続しています。
感染症地域支援
感染対策向上加算の連携施設を中心に、感染対策や抗菌適正使用に関する情報提供を行っています。また、地域医療機関向けに感染症勉強会を開催予定であり、感染対策や抗菌薬使用に関する情報提供および情報交換ができるよう計画しています。
担当医師(常勤)
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- 中西 雅樹 部長(感染管理対策室 室長)
- 資格など
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- ・ 日本内科学会認定内科医
- ・ 日本感染症学会認定感染症専門医/感染症指導医
- ・ 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医/呼吸器指導医
- ・ 日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医/気管支鏡指導医
- ・ 日本渡航医学会認定医療職
- ・ ICD制度協議会認定ICD(インフェクションコントロールドクター)
- ・ 臨床検査技師
- ・ タイ国 マヒドン大学熱帯医学大学院(diploma in tropical medisine & hygiene)
- ・ 兵庫医科大学卒
- 研究課題・専門分野
- 薬剤耐性菌・感染症疾患、呼吸器疾患
- 医師からひとこと
- 感染症診療、感染対策の文化を広く地域に届けたいと思います。
実績
院内:血液培養陽性例に対する全例介入
感染症の中でも特に重症とされる血液培養陽性例に対し、全例感染症科が介入し、病態が安定するまでフォローを継続しました。 (2023年度:総数535例)院内:カルバペネム系抗菌薬、TAZ/PIPC(ピペラシリン/タゾバクタム)削減の取り組み
入院患者の安全を担保しつつ、広域抗菌薬の長期投与を減らす取り組みを行いました。カルバペネム系抗菌薬のAUD(Antimicrobial use density)・DOT(Days of therapy)はいずれも減少しています。一方、TAZ/PIPCのAUD・DOTに関しては、2022年度はカルバペネム抗菌薬使用量の減少に伴い一時的に増加しましたが、2023年度は2021年度の水準まで改善しました 。
カルバペネム系抗菌薬AUDの推移
カルバペネム系抗菌薬DOTの推移
TAZ/PIPC AUDの推移
TAZ/PIPC DOTの推移
院外実績
連携施設を訪問し、感染対策上の観点から種々のアドバイスを行っています(年間8施設)。また、近隣の3医療機関に対し、AST(抗菌薬適正使用チーム)支援を行っています(各施設:1~2回/月)。
さらに、都市部と地方に生じる知識や情報のギャップを埋めるために、地方医療機関(福島県、東京都、香川県)3施設のASTに、動画およびインターネットを用いた抗菌薬適正使用支援を行っています。
■関連ホームページ:https://astsupport.jp/