先輩の声

看護師(認定看護師)

【認知症看護認定看護師】 訪問看護ステーションひまわり 仕明 真理子

認知症になっても安心して生活できる場を作りたい

私は今、訪問看護ステーションに勤務しています。ステーションのある宇治市は、平成27年に「認知症にやさしいまち・うじ」を宣言されました。認知症にやさしいまち=誰もが住みやすいまちなのではないかと思います。

認知症看護認定看護師の役割の中に、「認知症の方にどのように関わればよいかわからず悩むご家族や医療従事者に対し、適切なアドバイスを行い、認知症を持つ方と介護者・家族が安心して暮らせることができるように支援していく」があります。

高齢化が進む中で、認知症を持つ方は年々増えていくことが予測されます。また、誰にでも起こる疾患でもあります。認知症を正しく理解してくださる方が増えることで、自然な受け入れができるのではないかと思います。

認知症を受容するのは認知症を抱える本人だけでなく、関わる家族や地域に住む人々、その地域社会全体が理解を深め受容できるようになれば、安心して生活できる場所ができ認知症を抱えていても生き生きと生活できるのではないかと思います。

認知症の方が繰り返し話す言葉には思いや価値観がつまっていること、認知症になってもその人の好きなことや得意なことはたくさんあり、それらを家族や地域の方々と共有することで失った誇りや自信を回復できるのではないかと思います。

高齢者が体調を崩し入院をしてしまうと、環境の変化により認知症を発症してしまうことがあります。現在の生活が少しでも長く継続できるよう、地域の集いやサロンに出向き、認知症を持つ人ではなく、本来の本人を捉えることの大切さ、異常の早期発見・重症化する前に受診につなげる大切さ、言葉で思いを伝えにくくなるため、表情や行動から判断することが大切であることを伝えていきたいと思います。認知症の方だけでなく、その方を取り巻くすべての方々も笑顔で暮らせるまちを創っていきたいと思います。