言い訳を言わない医療

社会医療法人岡本病院（財団）は1906（明治39）年、京都市伏見区に診療所を開設したのが始まりで、1954（昭和29）年には医療法人岡本病院（財団）に移行し、1979（昭和54）年には宇治市に第二岡本病院を開設し、2016（平成28）年に久御山町に京都岡本記念病院の名称で新築移転した大変長い歴史を持っています。この「岡本病院」の長い歴史は、地域の人たちのご支援とそれに応えようとした代々の病院経営者そして病院職員が一体となって努力してきた結果が創り出してきたものであると考えます。

久御山の地に新築移転した京都岡本記念病院は、急性期医療を中心に時代の先端的な医療も提供できる医療機器をそろえ、地域の皆さまに医療の安全と安心を届ける構造を作ることができました。発祥の地である伏見岡本病院は地域包括ケア病床を備えるなど慢性期医療を中心に据えた入院治療を続けています。さらに、超高齢化が進むなか、訪問看護、居宅介護支援の事業を広く京都南部地域で展開しています。

日本の医療の根底には、奉仕の精神が流れていて、患者さんに安心と安全を提供することを医療者の使命としています。岡本病院は、慈しみの心で、すべての命に平等に向き合う「慈仁」の精神でこれを実践してきていますが、わたくしは、患者さんにとって満足な医療を行うためには職員が働く際にゆとりのある心をもって患者さんに接することができる環境作りが極めて大切なことではないかと考えています。職員が安心してゆとりある心を持てる環境を作って、患者さんの安心とともに、心から満足のいく最高の医療の提供ができるように日々努力していきます。そうすれば自然に最高の技量を持った医療者が集いたいと思う病院となり、さらに集まった医療者たちが真の意味で協力し合って理想の医療を提供できる環境になるものと考えています。

これからも岡本病院が末永く地域の皆さまに信頼され、認められるように職員一同、日々の努力を重ねていくことをお誓い申し上げます。

2019年10月