先輩の声

薬剤師

【抗菌化学療法認定薬剤師】 平原 優美

頼られた時にやりがい感じる

薬剤師は医師の処方箋にもとづき薬を調剤するのが役割ですが、病院内で働く薬剤師は調剤室にとどまらず、病棟で患者さんと向き合いながら日々の業務をこなしています。

 私は京都薬科大を卒業後、この病院に入職して8年目です(2019年現在)。感染症担当として、ICU(集中治療室)、HCU(高度治療室)の重症者の容態をチェックしながら薬剤の投与を管理しています。

 女性がずっと働き続けることができる仕事と思い選んだ道ですが、現場に出て責任の重さを痛感しました。夜勤や当直もありますし、院内で扱う薬は1,700種類を超えます。ミスは許されない仕事なので、調剤にあたってはルールを決めて厳重にチェックしています。麻薬など一部の特別な点滴は看護師以外の人に渡さないのが鉄則です。

 2019年4月には病院内で第1号となる抗菌化学療法認定薬剤師の資格を取得しました。医師、看護師と抗菌薬適正使用チームを組み、注意の必要な入院患者さんを巡回するのも重要な仕事の一つです。患者さんから感謝されるのがうれしい瞬間です。やりがいを感じるのは、ドクターや看護師に頼りにされる時。

 抗菌薬はもちろん、さまざまな新薬が次々に生まれる時代です。効き目が良くなる一方で、いわゆる「使いすぎ」「薬漬け」の危険性も指摘されています。副作用の面からも、薬を減らすよう心掛けています。それを患者さんが納得するように説明するのが難しいです。

 仕事の緊張を解きほぐす休日は、気分転換にパンを焼き、のんびりとテレビを見ます。年々感じるようになった体力不足を解消するのが目下の最大の悩みです。