先輩の声

看護師(新人看護師)

山崎 佳奈

根拠を持って患者さんと関わる

慣れない環境の中、不安いっぱいの状態で入職してから1年が経ちました。約半年間のローテーション研修を終え、現在は循環器病棟で勤務しています。当院では新人看護師制度としてローテーション研修が取り入れられており、各部署で実際に勤務することで、部署別の特徴を捉えることができ、自分の目指す看護を見つけることができます。またPNS制度であるため、業務に漏れが生じないことに加えて、先輩とペアになり仕事をすることで自分に足りない課題を日々見つけることができます。

ローテーション研修の頃は2カ月毎に病棟が変わるため、各部署の特徴を捉えることやその都度新しくなる環境にしんどさを感じることがありました。循環器病棟に配属されてからも、看護技術・急変患者の対応・業務を覚えることなどに必死で、自分の中に余裕がなかったです。急性期病棟であるため、患者さんがいつ急変してもおかしくない中、何回BLSの研修を受けていても、いざ目の前で急変した患者さんに遭遇すると現在も焦りと恐怖でいっぱいです。一刻を争う時に焦ってしまうことや、普段からも自分が目標とする看護師像になかなか手が届かず落ち込むことが多かった1年でした。
しかし急変時においては、後から病棟スタッフ全員で振り返りを行います。全員で振り返ることにより、自己の課題やチームとして今後どのようにしていく必要があるのかを明確にすることができます。毎日の仕事においても、少しでも不安な表情をしていたら「何かあったの?」と気にかけてくれる先輩が沢山います。ある先輩は、「一緒に学んで、あなたと一緒に成長していきたい」と言ってくださいました。

この1年で看護師とは責任のある仕事であるとともにやりがいのある仕事であると改めて実感しました。医療従事者の中でも最も患者さんの側にいることができる職種であり、患者さんの病状の回復を直接目にすることができます。また何気ない患者さんとの会話の中から思いを聴くことができたり、相談を受けたりすることも多々あります。思いを知った上で回復していく患者さんの姿を見ると、自分のことのようにうれしいです。その半面、看護師は患者さんの少しの変化にも気づく必要があります。医師の指示があるから対応するのではなく、なぜ患者さんに症状が出ているのか、普段と比較してどうなのか、根拠を持ち対応していくことが重要であり私の課題点でもあります。
また患者さんと最も近くで関わっており、多職種と連携する仲立となることも看護師の重要な仕事です。病棟スタッフ・多職種と連携しながら、個別性に応じた看護を提供していきたいです。今後は退院支援を含め、疾患理解、根拠を持ち看護を提供することができるよう、循環器病棟で成長していきたいです。